FTP および sftp は、ファイル転送のフォームを提供する異なる 2 つのタイプのクライアントです。
FTP (ファイル転送プロトコル) は、FTP サーバーを実行中のリモート・マシンとの間でファイルを転送するための標準プロトコルです。FTP クライアントによって、ファイルとディレクトリーのアップロード、ファイルとディレクトリーのダウンロード、およびリモート・ファイル・システムとローカル・ファイル・システムのディレクトリー・ナビゲーションを実行できます。
FTP クライアントは次の 2 つの方法で使用できます。
スタンドアロン FTP セッションを構成すると、「FTP セッション」アイコンは「Z and I Emulator for Web クライアント」ウィンドウに追加されて、他のセッションと同じ方法で開始されます。3270、5250、または VT セッションを構成して、デフォルト・ファイル転送タイプとして FTP を使用すると、FTP セッションは別のブラウザー・ウィンドウで開始されます。開始されると、FTP セッションは「Z and I Emulator for Web クライアント」ウィンドウの「アクティブ・セッション」域に表示され、現行接続状況を示します。
FTP クライアントは、ファイアウォールを経由するインターネット FTP サーバーへのアクセスを提供します。ファイアウォール内の FTP クライアントが、FTP サーバーがファイアウォールの外側にあることを検出すると、受動モード (PASV) が自動的に活動化されます。これにより、FTP クライアントがファイアウォールを経由して FTP サーバーにアクセスできます。
FTP クライアントは、既存のホスト・ファイル転送機能を置き換えません。FTP ファイル転送とホスト・ファイル転送との違いに関する詳細については、「ファイル転送の概要」を参照してください。
セキュア・ファイル転送
FTP クライアントは、TLS および SSL 基本のセキュア・ファイル転送を提供しています。FTP クライアントは明示的 (AUTH コマンド) セキュリティーをサポートします。セキュア・ファイル転送を使用可能にするには、FTP 接続プロパティー・ウィンドウで TLS または SSL プロトコルを選択してください。TLS または SSL のサポートは、TLS/SSL ウィンドウで構成できます。
データ接続モードが「自動」のときには、FTP クライアントは RFC 2428 の EPSV コマンド FTP Extensions for IPv6 and NATs を使用します。EPSV データ接続モードは、ネットワーク・アドレス変換 (NAT) ファイアウォールにより良いサポートを提供します。Z and I Emulator for Web セキュア FTP サポートは、 www.ietf.org の TLS を使用するセキュア FTP RFC ドラフトを基本にしています。
Socks および HTTP プロキシー・サポート
FTP クライアントは、Socks プロキシー・サーバー (バージョン 4 とバージョン 5) および HTTP プロキシー・サーバーの両方をサポートしています。FTP クライアントは、プロキシー・サーバーを使用して、ファイアウォールの背後にあるホスト・システムを透過的アクセスできます。プロキシー・サーバー設定値は、セッションごとに、または Web ブラウザーを介して、指定できます。FTP セッション・プロパティーの「プロキシー・サーバー」ウィンドウにより、FTP セッションのプロキシー・サーバー・プロパティーを構成できます。
HTTP プロキシーを経由して FTP を使用する場合は、一部の HTTP プロキシーに AllowCONNECT という構成パラメーターが組み込まれていることに注意してください。このパラメーターは、HTTP CONNECT コマンドを受信したときに、HTTP プロキシーが発信接続を許可するポートをリストします。HTTP プロキシー経由で FTP を使用する場合、FTP プロセスは受動モードを使用します。受動モードでは FTP プロセスは、初期 FTP 接続後に、FTP サーバーからポート番号を受信します。FTP サーバーは、FTP サーバーに対する 2 番目の接続 (データ接続) を確立するときには、クライアントがこのポート番号を使用することを予期しています。このポート番号が HTTP プロキシー構成の AllowCONNECT ポート・リストにないと、プロキシーは FTP サーバーとの 2 番目の接続の確立を許可しません。FTP サーバーの中には、その構成の一部として、クライアントに戻されるポートをある範囲に限定できるものもあります。この場合には、その範囲内のすべてのポート番号を、HTTP プロキシー経由で接続する FTP セッションの AllowCONNECT HTTP プロキシー・ディレクティブに追加する必要があります。 |
FTP の国際化対応 (RFC 2640 サポート)
FTP クライアントは、複数の文字セットと言語をサポートするためにファイル転送プロトコルの国際化 (I18n) に対応している RFC 2640 をインプリメントします。RFC 2640 は、クライアント・コマンドとサーバー応答で使用されるパス名に対する 7 ビット制限を除去することによりファイル転送プロトコルの機能を拡張し、言語折衝用に新しいコマンドを定義します。RFC は UTF-8 エンコード・フォーマットの使用を推奨しています。UTF-8 は UCS (汎用文字セット ISO/IEC 10646 [ISO-10646]) 変換形式 (UTF) です。これは、パス名の文字ストリングの構文解析中に、特に重要なバイト値の使用を避ける安全なファイル・エンコードです。
RFC は新規コマンドの LANG も定義します。このコマンドは、FTP サーバーとクライアント間で交換されるグリーティング・メッセージやエラー・メッセージ用の言語を折衝します。サーバーと FTP クライアントが一度正常に言語を折衝すると、サーバーはサーバー・メッセージとコマンド応答テキストを、折衝された言語と UTF-8 でエンコードして戻さなければなりません。この LANG コマンドは、グリーティング・メッセージおよびコマンド応答テキストだけに影響します。サーバーと FTP クライアントが言語を折衝する前のグリーティング・メッセージおよびコマンド応答テキストは、サーバーのデフォルト言語で表示されます。FTP サーバーが、LANG コマンドまたは FTP クライアントにより折衝される言語をサポートしていない場合は、サーバーのグリーティング・メッセージおよび応答は ASCII 米国英語で表示されます。FTP サーバーが UTF-8 でエンコードされたパス名をサポートしていない場合は、パス名は 7 ビット ASCII でエンコードされます。
UTF-8 エンコード方式は、ファイルのパス名だけに適用され、ファイルの内容には適用されません。ファイルのエンコード・スキームは、ローカル・オペレーティング・システムによって決まります。 |
注意事項と制限
sftp クライアントは SSH (Secure Shell) ファイル転送プロトコルを使用し、非セキュア・ネットワーク (例えば TCP/IP ネットワーク) 上でセキュア・ファイル転送を提供します。
sftp では、Z and I Emulator for Web はバイナリー転送モードだけをサポートしています。Z and I Emulator for Web は文字転送モードをサポートしていません。
sftp クライアントは次の 2 つの方法で使用できます。
SSH プロトコルを使用して FTP/sftp セッションを構成することにより、スタンドアロン sftp セッションを構成できます。「FTP/sftp セッション」アイコンは「Z and I Emulator for Web クライアント」ウィンドウに追加されて、他のセッションと同じ方法で開始されます。
VT ディスプレイ・セッションを構成して、FTP の代わりに、sftp をデフォルトのファイル転送タイプとして使用できます。sftp セッションは、別のブラウザー・ウィンドウで開始されます。開始されると、sftp セッションは「Z and I Emulator for Web クライアント」ウィンドウの「アクティブ・セッション」域に表示され、現行接続状況を示します。
sftp クライアントは、既存のホスト・ファイル転送機能を置き換えません。FTP ファイル転送、sftp、およびホスト・ファイル転送の違いに関する詳細については、「ファイル転送の概要」を参照してください。